徒然銀輪爆走記

さいたま那須サンブレイブの佐藤 光のブログです。

Bianchi oltreXR4

 競技を始めて早7年。今年、僕は競技人生上で初めて上品な乗り心地を感じるバイクに乗った。ペダルを一回踏み込むたびに走る喜びを感じ、外に走り出したくなるバイクだ。
 ビアンキoltreXR4。さいたま那須サンブレイブに所属して供給されたバイクだ。ビアンキといえば遠くから見ても一目でわかるチェレステカラーの色合いが美しく映える自転車を思い浮かべる。オシャレな自転車乗りからカジュアルに街乗りに適したクロスバイクまで様々なラインナップを取り揃えている。
 しかし、ビアンキは競技の会場ではあまり見かけないメーカーだ。ビアンキoltreXR4を今シーズン10000km以上走って感じた印象について書いていく。f:id:hikarusatoutokyo:20230929230757j:image
 
 最新モデルがリリースされているので、もう一世代前のモデルになるが、最新モデルのバイクとも戦えるポテンシャルをもっているバイクだと感じる。
 踏み込むと硬いなと感じることはなかった。硬いバイクだと踏んだ力以上に速度が伸びていく感触がない。そういったバイクは軽量重視のバイクに多く、上りでは真価を発揮し、平坦には弱い印象がある。
 エアロバイクであるoltreXR4は硬さもありつつもバネのように踏んだ力以上に速度が伸びていくバイクに仕上がっている。
 アタックする場面ではもう少し硬さが欲しいと思うが、大逃げで巡行していく場面になるとライバルより脚を残せている実感がある。パンチャーやスプリンターよりはルーラー向けのバイクと言えるだろう。
 平坦では滑らかな走り心地のあるGOKISOのホイールと相性がとても良く、逃げでの早い巡行をする場面では低体重の僕でも長く逃げることができたほどだった。ライバル選手と残り一周まで逃げたツアーオブジャパン東京ステージでは大いに活躍した。

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普通のバイクならここで書くのは終わりだが、ビアンキのは面白い点がもう一つある。ビアンキには振動を除去するカウンターヴェイルが備わっているのだ。
 日頃の練習ではカウンターヴェイルの優秀さを感じている。多摩川のサイクリングロードの凸凹段差や田舎道のひび割れた路面。長時間のライドになるほど、段差を超える衝撃は体にダメージとして蓄積されていく。練習以外の体の疲れはできるだけ翌日に持ち込みたくない。
 これまで乗ったバイクでは段差の衝撃を上半身をかなり使って軽減させてきたが、カウンターヴェイルを搭載しているビアンキではフレームが振動を吸収してくれているので、体に変なダメージが残ることはなくなった。
 乗り心地がとても良いので、時間が許すならどこまでも走り出したくなる。僕にここまで思わせてくれるバイクは後にも先にもないだろう。
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 最後に魅力を伝えるならば、やはりデザインが美しいことだ。イタリアンデザインのバイクはカフェで駐輪しているとすごく映える。格好いいバイクを見ながら、コーヒーを嗜む時間は乗るモチベーションをすごく高まらせてくれる。

 
 ビアンキoltreXR4はデザイン、乗り心地、性能、全てにおいて死角のないバイクだ。乗れば乗るほどあなたの走行欲を満たしてくれるバイクになるだろう。

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Photo by the key